2011年7月アーカイブ

最高裁では、継続的な消費貸借取引の途中で一旦完済があった場合には、取引を事実上1個の契約であり一体のものとして計算すべきか、それとも完済の前後で別の取引として計算するかについて、平成20年1月18日の判例で各種の基準を設けています。

たとえば、継続的な取引が長期間続いていて、その長期間の取引の間にごく短期間の中断があったような場合には、一連の取引とされる可能性が高いですが、中断期間が長ければ、完済前後で別個の取引であると判断される可能性が高くなります。このような、取引期間と中断期間に関する要素の他、契約書の返還の有無やカードの失効の有無など、全部で6つの要素から判断するという判断基準を示したのが、平成20年1月18日の最高裁判例です。

そして、この基準には含まれてはいませんが、取引の一連一体性に大きな影響を与えそうなものに、「自動継続条項」というものがあります。今回、この自動継続条項が存在することを主要な理由として取引の一連一体性を認める原審(名古屋高裁)の判断に対して、最高裁はこれを違法なものとして原審に差し戻しました。原審は自動継続条項が存在するという点のみで取引の一体性を判断しているが、平成20年1月18日の最高裁判例の6要素に基づいて判断されるべきであるということです。

しかし、契約書上、明確に契約を自動的に更新するという合意がある場合に、平成20年1月18日の最高裁判例に示されたわかりにくい判断基準をあてはめる必要があるのでしょうか。もしその必要があるというのであれば、契約書の自動更新条項は無効であるという判断なのでしょうか。今回の平成23年7月14日の判例には、自動更新条項が有効か無効かの判断はなされていません。

最高裁の取引の一連性に関する判断については、「過払い金充当合意」を基礎とするもので、なかなか分かりにくいものですが、今回の判断で、さらにわかりにくくなりました。明確に契約を自動的に更新するという合意があっても、それを無視して契約書の返還の有無とかカードの失効の有無から、過払い金充当の合意があったとかなかったとかを争うのですから・・・。

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