最高裁では、継続的な消費貸借取引の途中で一旦完済があった場合には、取引を事実上1個の契約であり一体のものとして計算すべきか、それとも完済の前後で別の取引として計算するかについて、平成20年1月18日の判例で各種の基準を設けています。

たとえば、継続的な取引が長期間続いていて、その長期間の取引の間にごく短期間の中断があったような場合には、一連の取引とされる可能性が高いですが、中断期間が長ければ、完済前後で別個の取引であると判断される可能性が高くなります。このような、取引期間と中断期間に関する要素の他、契約書の返還の有無やカードの失効の有無など、全部で6つの要素から判断するという判断基準を示したのが、平成20年1月18日の最高裁判例です。

そして、この基準には含まれてはいませんが、取引の一連一体性に大きな影響を与えそうなものに、「自動継続条項」というものがあります。今回、この自動継続条項が存在することを主要な理由として取引の一連一体性を認める原審(名古屋高裁)の判断に対して、最高裁はこれを違法なものとして原審に差し戻しました。原審は自動継続条項が存在するという点のみで取引の一体性を判断しているが、平成20年1月18日の最高裁判例の6要素に基づいて判断されるべきであるということです。

しかし、契約書上、明確に契約を自動的に更新するという合意がある場合に、平成20年1月18日の最高裁判例に示されたわかりにくい判断基準をあてはめる必要があるのでしょうか。もしその必要があるというのであれば、契約書の自動更新条項は無効であるという判断なのでしょうか。今回の平成23年7月14日の判例には、自動更新条項が有効か無効かの判断はなされていません。

最高裁の取引の一連性に関する判断については、「過払い金充当合意」を基礎とするもので、なかなか分かりにくいものですが、今回の判断で、さらにわかりにくくなりました。明確に契約を自動的に更新するという合意があっても、それを無視して契約書の返還の有無とかカードの失効の有無から、過払い金充当の合意があったとかなかったとかを争うのですから・・・。

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過払い請求は、司法書士などに依頼してなされるケースが多いですが、依頼をすると費用が発生します。この費用はいくらぐらいかかるのでしょうか。かつては、司法書士会や弁護士会で報酬に関する規定があり、上限と下限が定められていました。しかしこれは自由な報酬の競争を阻害するということで撤廃され、現在では各事務所ごとに自由に設定されています。

報酬には、まず相談のみの段階で相談料がかかる場合があります。法律相談のときにかかる報酬は、一般的には、1時間5000円程度が多いでしょうか。しかし、法律相談のうち、借金・債務の相談については相談無料という弁護士や司法書士が多くなっています。借金の問題に悩む方は、相談に費用がかかってしまうと、相談料が支払えないということで相談ができないということもありうるため、無料とされていることが多いです。

そして、過払い請求を依頼した場合の費用については、手続き開始のときの着手金と、過払い金返還を受けたときの成功報酬金があります。着手金は、ゼロから3万円程度、成功報酬は10%から30%ぐらいまでの幅があり、この組み合わせで報酬が決まることとなります。しかし、最近、報酬に関するトラブルが多発したことから、日弁連では、「債務整理事件処理の規律を定める規程」を制定し、平成23年4月1日に施行されました。この規定では、原則として、弁護士が債務者に面談し、弁護士費用等を説明すべきことや、他に負債がありながら過払金返還請求のみを受任することの原則禁止、債務整理事件に関する広告についての規制などが定められたほか、任意整理事件の報酬の上限についても定められました。

かつて司法書士会や弁護士会で定められていた報酬規定の撤廃については、公正取引委員会の主導で進められ、不正に競争を阻害しているのではないかという点が問題とされましたが、今回の規制による報酬の上限の設定については、公正取引委員会からは、合理的な範囲の規制であり、独禁法上違法とされるものではないということで、今回は問題視されなかったようです。

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